キーボード #1 Advent Calendar 2023の13日目は、satromiがお送りします。
昨日は、hachi868さんの「LEFTOVER30のウッドケースを作ったので気に入ってるポイントとか」でした。木のケースが格好良いだけでなく、LEDが透過したり、ゴム脚がチルトしていたり、機能性も高いのが凄いですね。
明日は、大岡俊彦さんの「カナ配列薙刀式はいいぞという話」ということで期待が高まります。そう言う自分は、TRONキーボードを使ってる割に、未だにTRONかな配列には入門できていませんが。
2023年何をやったのか?
2023年、自作キーボード何やったかな?と振り返ると天キー#4 天下一キーボードわいわい会 Vol.4で『エルゴノミクスキーボードの歴史から自作キーボードの未来を考える』という題目で発表させて貰えたということが一番大きなネタでした。
※その前には、キー部4%で発表予定だったんですが家庭都合で発表できず、皆様にはご迷惑おかけしました。
古典的なエルゴノミクスキーボードから得られる物
さて、本題のエルゴノミクスキーボードネタに入って行こうと思いますが、このプレゼンで語りたいことは語りきった感あるので、まずは動画のプレゼンを見てみてください。
自作キーボードイベントでは、@Daihuku0015さんのチャンネルで配信があるので、ありがたい限りです。Daihukuさん、いつもありがとうございます。
前にも「エルゴノミクスキーボードネタで何か」と題してadvent calendarに書いたこともありましたが、日本の自作キーボード界で日々生み出されていくキーボードのデザインを見ると、古典的なエルゴノミクスキーボードのデザインや思想から得られる物があります。
一番有名なエルゴノミクスキーボードというと、Microsoft Ergonomic Keyboard (1994年)ですが、キー配列がハの字型になっているだけでなく、左右が離れており、巨大なパームレスト一体型になっています。
これこそ、エルゴノミクスキーボードをエルゴノミクスキーボードらしくしているものであり、巨大なパームレストと手に合わせて左右キーが(ある程度は)離れた構造になってさえすれば、エルゴノミクスキーボードと名乗っても問題ないでしょう。
ちなみに、MSはエルゴノミクスデバイスを1980年代から研究しています。エルゴノミクスキーボードも、10モデル以上継続的に販売してて凄いです。
モデル名 | 販売年 |
Natural Keyboard | 1994 |
Natural Keyboard Elite | 1998 |
Natural Keyboard Pro | 1999 |
Natural MultiMedia Keyboard Wireless Optical Desktop Pro | 2002 |
Natural Ergonomic Keyboard 4000 | 2005 |
Natural Ergonomic Desktop 7000 | 2007 |
Sculpt Ergonomic Desktop | 2013 |
Surface Ergonomic Keyboard | 2016 |
Microsoft Ergonomic Keyboard | 2019 |
日本の自作キーボード界では左右分離型キーボードが流行っているのもあって、自分も左右分離型のTL Split Keyboardというシリーズを作っていますが、左右分離型キーボードであれば、左右キーがどれだけ離れているかを調整でき、さらに逆ハの字・ハの字と配置を変えることが可能です(置き方変えるだけの話なので、当たり前ですが)
ただ、パームレスト一体型や巨大なパームレストという見た目のインパクト、エルゴノミクスキーボードをエルゴノミクスキーボードたらしめる要素は、なかなかケース製作難易度(主に費用面)が高いのもあって、現状は自作キーボードでまだ少ないかな?という状況です。
そういう意味では、今後は自作キーボードのケース、巨大なパームレストに取り組めると良いのかな?とは思っています。
【蛇足】今年何か作ったのか?
自分は、なんだかんだ言ってもTRONに関わっていた人間である以上は、TRON配列のキーボードから離れられないですし、TRON配列にこだわらずとも挟ピッチのキーボードの良さは広まって欲しいなとは思っています。
そんなことで、新たにTRON最小化キーボードの設計を進めていたり、TL Split Keyboard 16mmの金属製ケースを設計したりと進めていることはあるんですが、なかなか進んでいません。
個人的に、TL Split Keyboard 16m + 金属トッププレートでほぼEnd Gameに達してしまったので、作るモチベーションが沸きにくいということがあります。
古典的なエルゴノミクスキーボードから得られる物として語ったように、エルゴノミクスキーボードというとパームレストなので、TRONキーボードというとTK1のペンタブレットが一体化したデザインが承知的ではあるのでそこまで再現してみたいところではありますが、なかなか難しいですね。
この記事は、TL Split Keyboard 16mm Rev1 ステンレストッププレート仕様で書かれています。金属トッププレート、安定感があってオススメです。